E3 Data Augmentation Tool
E3 Data Augmentation Tool マニュアル
1. プログラムの目的と動き
E3 Data Augmentation Toolは、少ないデータに多様性を与えるために良品データを拡張するツールです。
2. GUIの構成
設定項目
- 入力フォルダ・出力フォルダの設定
- どのフォルダにある画像を拡張するかを指定
- 拡張する倍数の設定(Augmentation Ratio)
- 2, 5, 10, … 100 の範囲で指定可能
- データ拡張アルゴリズムの選択
- 画像変換手法をオプションで選択(複数選択可能)
- 元の画像 / 拡張された画像の確認
- 変換結果をプレビュー表示
- 進行状況の確認
- 進捗バーで処理状況を表示
制御パネル
- START : 開始
- QUIT : プログラム終了
- OPEN FOLDERS : データ拡張されたフォルダを開く
3. 使い方
1. Input FolderとOutput Folderを指定する。
拡張する画像データの入っているフォルダ(Input)と、拡張後の画像を保存するフォルダ(Output)を指定します。
2. Augmentation Ratioを指定する。
元の画像1枚に対して、拡張する画像の枚数を指定します(2, 5, …, 100)。
3. Data Augmentation Optionsを指定する。
- 最初に1つ選択してください。
- 複数のオプションを同時に選択可能。
- 今後、データ拡張オプションを追加予定。
4. STARTボタンを押す。
設定後、「START」ボタンを押してデータ拡張を開始します。
4. 搭載されたデータ拡張手法
1. 平行移動(Shift Translation)
- 概要: 画像内で製品の位置が微妙にずれる状況を再現するため、横方向および縦方向にごく小さなシフトを加える。
- 注意点: 大きすぎるシフトは製品の境界が切れる可能性があるため、範囲は限定的に。
https://youtu.be/tFKYKa4CtdA
2. 明度調整(Random Brightness)
- 概要: 撮影時の照明条件の変動をシミュレーションするため、画像全体の明るさを上下させる。
- 注意点: 過度な調整は黒色の文字や銀色の質感が失われる可能性があるため、微小な範囲で実施。
https://youtu.be/kUh-daEdrvE
3. コントラスト調整(Random Contrast)
- 概要: 製品表面の反射や影の具合を変えることで、微妙な照明差を再現する。
- 注意点: コントラストを上げすぎると、文字部分や金属の質感に不自然なハイライトやシャドウが発生する可能性がある。
https://youtu.be/GeWYiucb_a4
4. ガウシアンノイズの付加(Additive Noise Addition)
- 概要: カメラのセンサノイズや環境ノイズを模倣し、多少のノイズを加える。
- 注意点: ノイズが強すぎると製品の細部(文字やエッジ)が見えにくくなるため、微量に留める。
https://youtu.be/RxCpL4_2NpY
5. ガウシアンブラー(Gaussian Blur)
- 概要: 焦点がわずかにずれた場合のぼやけをシミュレーションするため、軽いぼかしを入れる。
- 注意点: ブラーが強すぎると、正常なテクスチャや文字情報が失われるため、パラメータは控えめに。
https://youtu.be/Q1L9noWTEJQ
6. スペキュラーハイライトのシミュレーション(Specular Highlight)
- 概要: 金属特有の反射光(光のハイライト)を人工的に重ね、撮影環境の違いや光の反射パターンの変動を表現する。
- 注意点: ハイライトの位置・大きさは現実的な範囲で調整し、文字部分や重要なパターンを隠さないようにする。